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- ネイションズカップ決勝速報 ワールドシリーズ ラウンド2
- 2021 シリーズ ネイションズカップ - ワールドシリーズ ラウンド2
- 2021.07.11
2021年のFIA グランツーリスモ チャンピオンシップ。世界トップ選手がしのぎを削るワールドシリーズは7月、ラウンド2を迎えました。国・地域の代表選手が火花を散らす「ネイションズカップ」の模様をお伝えします。開幕戦ラウンド1では、イタリアのヴァレリア・ガロ選手がわずか0.06秒差というスリリングなフィニッシュで勝利を手にしています。今回のラウンド2では、どのようなドラマが生まれるのでしょうか。
ラウンド2:ウェザーテック・レースウェイ・ラグナ・セカ 20周
ラウンド2 の舞台は、アメリカ・カリフォルニア州北部に位置する歴史あるサーキット、ウェザーテック・レースウェイ・ラグナ・セカ。ジェットコースターのようにダイナミックに下るS字コーナーのターン8は、通称「コークスクリュー」の名で世界的に有名です。全長3602mという比較的コンパクトなコースですが、コークスクリューの他にもテクニカルなコーナーが連続する難しいレイアウトです。
ラウンド2の使用車両は、オーストリアの2輪メーカー、KTMが手がける4輪のミッドシップ・スポーツカー「X-BOW」。決勝周回数は20周で、タイヤはソフトとミディアム、2種類のコンパウンドの使用義務が課されます。
参加14選手中、予選トップタイムを記録したのは日本の山中智瑛選手(yamado_racing38)。山中選手は、2012年のグランツーリスモ アジアチャンピオンシップへの参戦を始め、2019年のFIA グランツーリスモ チャンピオンシップではマニュファクチャラーシリーズのタイトルも獲得している名選手です。
予選2番手は、開幕戦優勝の勢いあるイタリアのヴァレリオ・ガロ選手(Williams_BRacer)。3番手には、フランスのバティスト・ボボア選手(R8G_TSUTSU)。
さらに、4位にブラジルのルーカス・ボネリ選手(TGT_BONELLI)、5位に日本の國分諒汰選手(Akagi_1942mi)、6位にネイションズカップのディフェンディングチャンピオンでもある日本の宮園拓真選手(Kerokkuma_ej20)と続きました。
予選トップ6はスタートタイヤにソフトを選択、予選7位以下の選手は皆ミディアムタイヤを履きます。いよいよ20周の決勝レースがスタートを迎えます。
オープニングラップ、素晴らしいスタートを決めたのは予選2番手のガロ選手。ターン2の進入で山中選手を抜き去りトップに立ちます。レースはガロ選手を先頭にした1列のフォーメーションを形成、上位6台は約2秒以内のタイム差を維持しながら順位を大きく変えることなくレースが進行していきます。
タイヤ戦略の明暗
8周目終盤、トップ走行中のガロ選手がピットイン。ソフトタイヤのライフを3周程度余しての早いタイミングでのピットインで、このガロ選手の戦略に注目が集まります。ガロ選手は山中選手の約30秒後方、11位のポジションでコースに復帰。密集を避けつつミディアムタイヤでアグレッシブに攻める作戦です。9周目に入ると、ミディアムタイヤ勢を中心にピットインするマシンが目立ち始めます。
トップの山中選手がピットに入ったのは11周目。ソフトからミディアムタイヤへと交換しコースへと復帰しました。しかし、このタイミングでガロ選手が山中選手をパス。ガロ選手は早期のピット戦略を生かしたかたちで、12周目に再びトップに躍り出ます。
いっぽう、後方から目覚ましい追い上げを見せていたのが、予選8番手からスタートしたハンガリーのパトリック・ブラザン選手(Fuvaros8)。ブラザン選手は9周目にピットインし、タイヤをミディアムからソフトへチェンジしていました。後半をミディアムタイヤで走らなければならない上位陣との差を着々と詰めていきます。
16周目、先頭集団が大きく動き始めます。11周目からトップを守り続けたガロ選手でしたが、他の選手より早い段階で投入したミディアムタイヤはすでにグリップが厳しい状況。
ガロ選手の後ろにピタリとつけていた2位の山中選手に3位ボボア選手も加わり、三つ巴の攻防が繰り広げられます。
17周目、ついにグリップの限界を迎えたガロ選手に代わって、山中選手が首位に立ちます。
これでボボア選手が2位に。そして3位には着実に順位を上げてきたブラザン選手のマシンが迫ってきていました。このトップ3の中では、ブラザン選手が唯一ソフトタイヤを装着。タイヤグリップを生かし、コークスクリュー入り口での素晴らしいブレーキングからのライン取りでボボア選手をかわし、2位に浮上。首位を走る山中選手との差は、気づけばわずか1秒ほどに。山中選手は、後方からソフトタイヤで迫るブラザン選手を振り切れるでしょうか?
終盤の白熱、固唾をのむ攻防
18周目、首位山中選手と2位ブラザン選手との差はコーナーごとに縮まり、0.5秒ほどに。そして19周目、ソフトタイヤのグリップを生かしたブラザン選手は全てのコーナーで山中選手にアタックをしかけるほどのアグレッシブな走りを見せ、ついに最終コーナーで山中選手のインに飛び込みます。
その立ち上がりで横に並ぶと、最終ラップの2コーナーで山中選手をかわし首位を奪取。ブラザン選手はそのまま山中選手を押さえ、ワールドシリーズ ネイションズカップ ラウンド2での優勝を手にしました。
山中選手は素晴らしい戦いを見せましたが、惜しくも2位。そして3位にはバティスト・ボボア選手が入りました。ディフェンディングチャンピオンの宮園選手は10位、一時はトップを快走したガロ選手は、終盤の急激なグリップダウンからコースアウトも重なり、最下位という結果となりました。
ブラザン選手は「ミディアムタイヤでのスタートでペースをキープしながらソフトタイヤ勢を先行させるのが狙いでした」と語りましたが、その戦略とともに、ソフトタイヤに履き替えてからの乱れのない安定した走りが、最後の勝利につながりました。
ブラザン選手はこの勝利でワールドシリーズポイント3ポイントを獲得。ラウンド2までの合計で5ポイントとなり、ポイントランキングをリード。ランキング2位には3ポイントのガロ選手。3位には、今ラウンドで2ポイントを手にした山中選手がつけています。
次なる戦いの舞台は「ワールドシリーズ Showdown」。世界トップ選手たちが集う前半ラウンドのしめくくりのイベントです。ぜひご期待ください。
2021 シリーズ ネイションズカップ - ワールドシリーズ ラウンド2
リザルト
Rank | Driver | Time |
---|---|---|
1 | パトリック・ブラザン Fuvaros8 | 31:26.193 |
2 | 山中 智瑛 yamado_racing38 | + 01.011 |
3 | バティスト・ボボア R8G_TSUTSU | + 01.549 |
4 | アドリアーノ・カラッツァ KoA_Didico15 | + 01.936 |
5 | ジョルジョ・マンガーノ Williams_Gio | + 04.234 |
6 | ルーカス・ボネリ TGT_BONELLI | + 04.503 |
7 | 國分 諒汰 Akagi_1942mi | + 04.808 |
8 | アンゲル・イノストローザ YASHEAT_Loyrot | + 05.644 |
9 | アンドリュー・ブルックス PX7-Deafsun | + 06.746 |
10 | 宮園 拓真 Kerokkuma_ej20 | + 07.142 |
11 | コケ・ロペス coqueIopez14 | + 07.469 |
12 | ホセ・セラーノ PR1_JOSETE | + 08.116 |
13 | アダム・タペイ TFz_Adam18 | + 08.316 |
14 | ヴァレリオ・ガロ Williams_BRacer | + 21.980 |