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Sebastian Vettel Red Bull X2010 Prototype Shakedown
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グランツーリスモ5

レッドブル X2010 プロトタイプの全貌を公開

レッドブルのカラーリングが施された「レッドブル X2010 S.ベッテル」
『グランツーリスモ5』上のニュルブルクリンク・グランプリコースで、レッドブル X2010 プロトタイプをテストドライブするセバスチャン・ベッテル
「グランツーリスモ」は、レッドブル・レーシングとのプロジェクト「X2010 プロトタイプ」の全貌を公開しました。

こんにち存在するレースには、必ず何らかの規則、つまりレギュレーションがあります。レッドブル X2010 プロトタイプはこのレギュレーションから開放された、地上最速のレーシングカーとはどんなものか、という「グランツーリスモ」のファンタジックな夢から生まれたマシンです。

当初のレッドブル X2010 プロトタイプは、フロントホイールまでを覆ったウイング構造のシングルシーターキャノピー・プロトタイプでした。1500psのV6直噴ツインターボがもたらすパフォーマンスは、時速400kmオーバー、最大横加速度6Gという充分なもの。しかしこの構想は、プロジェクトのパートナーとなったレッドブル・レーシングによって、さらなる飛躍をみせることになりました。

レッドブル・レーシングのチーフテクニカルオフィサーであり、エアロダイナミクスの鬼才といわれるエイドリアン・ニューイは、レッドブル X2010 プロトタイプに、自らが長年抱いてきた夢、「ファンカー」テクノロジーを採用することを提案します。

ファンカーとは、マシン下部の空気をファンによって強制的に吸い出し、アンダーフロアの空気圧を下げることで路面に吸着させ、強力なダウンフォースを与える仕組み。速度と関係なく一定のダウンフォースを発生させることができるため、低速コーナーのコーナリングスピードを劇的に向上させることができるのです。

ファンカーの猛威は歴史が証明しています。1970年のCan-Nam(カンナム)に投入された、シャパラル2Jというファンカーは、あまりの戦闘力の高さから1シーズンで出場禁止に。F1でも、1978年にブラバムがBT46Bというファンカーを投入し、圧倒的な速さでレースを制したため、たった1戦で参戦が封印されています。

ニューイの提案を受けたレッドブル X2010 プロトタイプは、ボディ後端に大きなファンを抱えるマシンとなりました。さらにニューイから前後ウイング、リアデフューザーの形状に助言を得て、そのエアロダイナミクスはさらに研ぎ澄まされたものへ進化しました。この結果、レッドブル X2010 プロトタイプが勝ち得たパフォーマンスは、最高時速450km/h以上、最大横加速度8.75G。生身の人間が耐えられる限界ともいうべき性能です。

『グランツーリスモ5』の中で、マシンのシェイクダウンを担当したのは、あのセバスチャン・ベッテル。ベッテルは鈴鹿サーキットを舞台とした最初の走行で、F1マシンが持つコースレコードを20秒以上短縮。さらにニュルブルクリンク・グランプリコースでのテストでは、1分4秒台というラップタイムを刻み、レッドブル X2010 プロトタイプのすさまじいポテンシャルを引き出してみせました。

「グランツーリスモ」とレッドブルがかなえた地上最速という夢。「グランツーリスモ」初となる一流ドライバーによるドライビング・レッスン「セバスチャン・ベッテルXチャレンジ」で、あなた自身がその力を体感してください。

レッドブル・レーシング チーフテクニカルオフィサー
エイドリアン・ニューイのコメント


「レッドブル X2010」は実用技術の最適な組み合わせが一つのデザインの中で統合した、まさに進化そのものと言える存在です。その結果は非常にスリリングでした。「レッドブル X2010」はレギュレーションに縛られないレースの未来であると同時に、実現可能な現実でもあります。その破壊的なまでの速度とコントロール性能はセバスチャン・ベッテルによって証明されています。PS3®と『グランツーリスモ5』によって、私たちは未来をテストドライブすることができるのです。


「グランツーリスモ」シリーズプロデューサー 株式会社ポリフォニー・デジタル社長
山内一典のコメント


このプロジェクトで目指したのはテクノロジーと美意識の限界を探ることです。エイドリアン・ニューイとのセッションはリアルとバーチャルの素敵な出会いでした。プロジェクトは両者の好奇心と情熱によって駆動され、最終的に高いレベルでカーデザイン、物理シミュレーション、レースカー製作技術、ドライビングを集結させることができたと思います。


レッドブル X2010 プロトタイプ ダウンフォース特性図

レッドブル X2010 プロトタイプ ダウンフォース特性

総タイヤ荷重とタイヤの摩擦係数から、レッドブル X2010 プロトタイプの300km/h時のコーナリングGを試算してみよう。

300km/h時にレッドブル X2010 プロトタイプのタイヤにかかる総荷重は前輪1142.7kgf、後輪1432kgf。タイヤの摩擦係数はμ=1.97。この条件から、タイヤが発揮できる最大コーナリングフォースを求めると5073kgf。これをレッドブル X2010 プロトタイプの走行重量615kgで割ると8.25となる。これがレッドブル X2010 プロトタイプの最大コーナリングGだ。

8.25Gという数値はスペースシャトルの離陸Gをはるかに凌ぎ、戦闘機の最大加速時とほぼ同じ。人体が耐え得るほぼ限界値である。

300km/hでのコーナリングG試算
総タイヤ荷重:2575.6kgf (前輪 1142.7kgf + 後輪 1432.9kgf)
タイヤ摩擦係数: μ=1.97 (ベースμ=2.16、高荷重時に効率が約91.5%に低下する)
タイヤが発揮できるコーナリングフォース: 5073.9kgf
コーナリングG: 8.25G (= 5073.9kgf / 615kg)

レッドブル X2010 プロトタイプ主要緒元
寸法
全長:4.75m
全幅:2.18m
全高:0.98m

ホイールベース:2.9m
フロントトレッド:1.85m
リアトレッド1.78m
車重
乾燥重量:545kg
走行重量:615kg
エンジン
型式:V型6気筒直噴ツインターボ
排気量:3000cc
最高出力:1106.0kw (1503.8ps) / 15000rpm ※1483hp
最大トルク:714.1Nm (72.9kgf*m) / 12000rpm
サスペンションフルアクティブライド・サスペンション
ファンによるボトムのダウンフォース
最大出力:9800N (1000kgf), 1.63G相当
ウィングおよびベンチュリー効果による車速の二乗比例で効くダウンフォース 100km/h時:
1044.7N (106.6kgf), 0.17G相当

200km/h時:
4181.7N (426.7kgf), 0.69G相当

300km/h時:
9412.9N (960.5kgf), 1.56G相当

400km/h時:
16732.5N (1707.4kgf), 2.78G相当
パフォーマンスデータ
0-60mph:1.4sec
0-120mph:2.8sec
0-200mph:6.1sec

最高速度:280mph以上(450km/h以上)
300km/h時の前後・左右最大加速度:8.25G